LUNE BALEINE PARASOL - パラソルをもっと愉しむVOL.1

「お酒は弱いけれど好き、という方にもたのしんで頂きたいバターサンドですね」。そう言って微笑むのは、中目黒でワイン専門店「THE WINE STORE」を営む、横川かおりさん。

ソムリエの資格を持ち、カヴィスト(※1)として活躍する横川さんならではの視点で、「sweetsの2種は、お酒の魅力が効果的に活かされていることで複雑さや奥行きがあり、完結した味わい。一口で満足度が高いので、香りのニュアンスに共通項があるお茶やコーヒーとシンプルに合わせると、その美味しさが引き立つと思います」と話します。

前編では、LUNE BALEINE Parasol<パラソル>の中でもお酒をきかせたスイーツバターサンド”sweets”にまつわる、おいしいペアリングを中心に教えていただきます。

※1 カヴィスト…ワインの仕入れから管理までを専門的に行い、カーヴ(=酒蔵)の仕事に従事する人

お酒好きの女性たちが作っているんだろうな、と。つくった人の気配を感じる、佇まいと味わいです。



ーお酒を愉しむバターサンド『LUNE BALEINE PARASOL<パラソル>』は、いかがでした?


とても美味しく、想いを込めてつくられているというのが伝わるバターサンドです。「お酒を愉しむ」というテーマが貫かれていて。そして、企画されたのは女性が中心なんだろうなと感じました。美しい佇まいはもちろん、食べやすさへの心配りや、味わいと香りの組み立てからも感じます。

ーまさにその通り。パティシエをはじめ開発に携わるスタッフは全員女性なんです。彼女たちが考案した、味わいのバリエーションはいかがでした?



一つひとつ、素材の味わいがビビットなのが魅力だと思いました。お酒をしっかりきかせたバタークリームやドライフルーツで作る“sweets”。そして、「おつまみ」感覚でついついお酒が飲みたくなる“snack”。それぞれの個性がはっきりしているので、何と合わせてみたいかという想像も膨らみ会話が弾みそうです。

sweetsはお酒の香りが心地よく漂うので、あえてお茶やコーヒーなどと共に。個人的には、おやつの時間や食後など、リラックスタイムに味わいたいバターサンドです。

お酒をしっかりきかせた“SWEETS”の「クランベリーカシス」は、爽やかで透明感のあるバターサンドです。

ーまずはSWEETSについてじっくりとお話をお聞きしたいです!


sweetsは、“香るバターサンド”ですね。

2種あるうちのひとつ「クランベリーカシス」は、バタークリームにカシスリキュールを練り込んでいて。華やかな香りが印象的。

クランベリーはウォッカに漬けることでぐっとお酒のニュアンスを感じさせつつ、クランベリーの輪郭が際立っていました。その味わいはきゅっとしたチャーミングな甘酸っぱさ。バターサンドのリッチな印象の中にも透明感のある味わいでした。

ー華やかなテイストの「クランベリーカシス」に飲み物を合わせるとしたら?

たとえば、やわらかな酸のある「ローズヒップティー」。

クランベリーが持つ明るい果実のニュアンスや甘酸っぱさに優しく寄り添いながら、リッチなクリームの後味も爽やかに切ってくれるイメージです。

 そして個人的にはこのバターサンドはコーヒーとの相性も譲れません。きれいな酸がしっかりとあり、ベリー系の果実を感じるものを合わせたいです。

焙煎は深すぎないものが良いと思います。ストラクチャーがはっきり出つつも軽やかに仕上がるフレンチプレスで淹れるのがおすすめです。バターサンドのクリームがリッチなので、コーヒーはくれぐれもストレートで。

リッチといえば、もうひとつのsweets「オレンジブランデー」の香りもすごく印象的でした。

「オレンジブランデー」が放つ香りと苦味にはスパイシーなお茶を合わせて



ーこの「オレンジブランデー」は、パティシエによると、卵黄とホワイトチョコでコクをもたせたバタークリームに、オレンジの果皮を漬け込んだブランデーを練り込んだそうです。クリームの間にちょこんとのった、オレンジピールの苦みがいい仕事をしていますよね。

ブランデーの豊かな香りとオレンジのほろ苦さ、ややコクをもたせたバタークリームには、スパイスやジンジャー系の飲み物がいい支えになるはず。


具体的には、スパイシーなお茶でまず最初に浮かんだのが「月桃(げっとう)」。沖縄など南国に生息するショウガ科の植物「月桃」の葉や実を用いたお茶です。ショウガに通ずるスパイシーさと、自然な甘みが上品です。

もし月桃が手に入らない場合は、手軽に作れるジンジャーティーをおすすめします。

 作り方は、セイロンティーなど柑橘系の香りをもつ紅茶に、スライスした生姜と、シナモンやクローヴ、カルダモンなどのスパイスを好みで加えます。

スパイシーなお茶との組み合わせで、「オレンジブランデー」がもつ落ち着きのある風味がさらに広がると思います。

ーすぐにでもトライしたくなります。後編も楽しみです!よろしくお願いします!


 今日お伝えしたペアリングは、ソフトドリンクが中心。

お酒とのペアリング、そして私が実際に楽しみたい「シチュエーション」についてはvol.2でじっくり話しますよ。


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